たとえるなら
データが行き交う道路網です。太い高速道路もあれば細い路地もあり、道が細いところに車(データ)が集中すると渋滞が起きます。Webページの表示が遅いときは、この道路のどこかで渋滞が起きているのかもしれません。
もう少しくわしく
ネットワークは、コンピューター同士をつないで、データをやりとりできるようにした通信の経路です。ケーブルや無線(Wi-Fi)で機器をつなぎ、その上をデータが行き来します。家の中でスマホとプリンターがつながるのも、会社のパソコン同士でファイルを共有できるのも、ネットワークがあるからです。
ネットワークには規模の階層があります。家庭やオフィスの中の小さなネットワークはLAN(ラン)と呼ばれ、そのLAN同士を世界規模でつなぎ合わせたものがインターネットです。「ネットワークのネットワーク」がインターネットの正体、と言うこともできます。会社の拠点間など、離れた場所のLAN同士を結んだものはWAN(ワン)と呼ばれます。
この道路網を支えているのが、ルーターやスイッチといった中継のための機器です。ルーターは「この宛先ならこっちの道」と行き先を振り分ける交差点の役割、スイッチは同じLANの中で機器同士をつなぐ役割を担います。無線でつなぐためのアクセスポイント(Wi-Fiの電波を出す機器)も、多くの家庭ではルーターと一体になっています。
データは、送り先の住所にあたるIPアドレスを頼りに届けられます。このとき、大きなデータはそのまま送られるのではなく、小さな包み(パケット)に分割されて別々に運ばれ、届いた先で元どおりに組み立て直されます。1台のトラックで一度に運ぶのではなく、小分けにして何台もの車で運ぶイメージです。途中で一部が届かなければ、その分だけ送り直せばよいので、効率よく確実に運べます。
つなぎ方には有線と無線があります。有線(LANケーブル)は速度が安定しやすく、無線(Wi-Fi)は取り回しが自由という違いがあり、用途で使い分けます。無線は電波を使う以上、壁や距離、他の電波との干渉に弱く、「同じ家の中なのに部屋によってつながりにくい」といったことが起こります。
「ネットワークが重い」「つながらない」というトラブルは、道路網のどこで渋滞や通行止めが起きているかを順番に切り分けて探します。自分の端末だけの問題か、家や会社の中の全員が同じ状態か、それとも相手側のサービスが止まっているのか——見る範囲を少しずつ広げていくのが基本の考え方です。原因が自分の手元にないことも珍しくありません。
こうした経路の設計、混雑しないような調整、外部からの不正な通信を防ぐ関所(ファイアウォール)の設置などを担当するのがネットワークエンジニアです。ふだんは目立ちませんが、ネットワークが止まればどんなシステムも動かなくなるため、システム全体を足元から支えている職種です。
現場での使われ方
「社内ネットワークからしかアクセスできません」
そのシステムは会社の中のネットワーク限定で公開されていて、外出先や自宅からは直接つなげない、という意味です。
「ネットワークが不安定みたいです」
通信の経路のどこかに問題があり、つながったり切れたりしている状態の報告です。原因の切り分けが始まります。
「これ、ネットワークの問題ですか? アプリの問題ですか?」
不具合が通信経路のせいなのか、作ったプログラムのせいなのかを確かめる質問。切り分けの第一歩としてよく交わされます。
「ネットワーク構成図を共有しておきます」
どの機器がどうつながっているかを図にしたもの。トラブル対応でも新しい機器の追加でも、まずこの図から確認します。
よくある質問
ネットワークとインターネットの違いは何ですか?
ネットワークはコンピューター同士をつなぐ仕組みの総称で、インターネットは世界中のネットワークを相互につないだ最大規模のものです。家庭内LANも立派なネットワークの一種です。
LANとWANの違いは何ですか?
LANは家庭やオフィスなど、限られた範囲の中のネットワークです。WANは離れた場所のLAN同士を結んだ、より広い範囲のネットワークを指します。本社と支社をつないだ社内網はWAN、その支社の中だけの網はLAN、という関係になります。
家のWi-Fiもネットワークですか?
はい、立派なネットワークです。ルーターを中心に、スマホ・パソコン・テレビ・ゲーム機などがつながった家庭内LANが作られています。そのルーターが回線を通じてインターネットにつながることで、外の世界とやりとりできるようになります。
ネットワークが遅いとき、原因はどこにあることが多いですか?
手元の電波状況、契約している回線の混雑、相手側のサービスの負荷など、原因は経路上のどこにでもありえます。まず「自分だけか、全員か」「特定のサイトだけか、全部か」を確認すると、原因のある範囲をかなり絞りこめます。
エンジニアになるならネットワークの知識は必須ですか?
専門にするかどうかは別として、基本は知っておいたほうが有利です。Webアプリもスマホアプリも通信の上で動いているため、「つながらない」原因を切り分けられるかどうかで、トラブル対応の速さが大きく変わります。