たとえるなら
医療の世界の「医師」のような総称です。ひとことで医師と言っても外科・内科・眼科と専門が分かれるように、エンジニアもシステムのどの部分を担当するかで専門が分かれています。
もう少しくわしく
エンジニア(engineer)はもともと「工学の技術者」を広く指す言葉ですが、IT業界ではプログラムやシステムを作る技術者の総称として使われます。「エンジニアを募集しています」という求人があれば、たいていはITシステムの開発を担う人を探している、という意味です。職種のくくりを表す言葉なので、名刺に書かれた役職名とは一致しないこともあります。
専門分野はかなり細かく分かれています。利用者が見る画面側を作る「フロントエンドエンジニア」、裏側のデータ処理を作る「バックエンドエンジニア」、システムが動く土台を支える「インフラエンジニア」が代表格です。ほかにもスマートフォンのアプリ、機械学習、セキュリティ、品質保証など分野は広く、同じエンジニアでも毎日書くものも使う道具も大きく違います。
呼び名の違いに戸惑う人は多いはずです。厳密な線引きはありませんが、プログラムを書く作業に注目した呼び名がプログラマー、設計や運用まで含めた技術者全体を指す広い呼び名がエンジニアと考えるとおおむね通じます。SEは主に日本で使われる呼び名で、設計や顧客対応を担う人を指すことが多い言葉です。「開発者」「デベロッパー」はエンジニアとほぼ同じ意味で使われます。
一日の動きは分野によりますが、共通しているのは書く時間よりも読む時間・確かめる時間のほうが長いことです。朝の短い共有の場で担当を確認し、仕様や既存のプログラムを読んでから手を動かし、書いたものは他の人に見てもらい、テストを通してから公開する。不具合の連絡が入れば、作りかけの作業を止めて原因を追う日もあります。
新人がつまずきやすいのは、分からないまま長く止まってしまうことです。「30分調べて進まなければ聞く」といった自分の基準を先に決めておくと、抱えこみを防げます。もうひとつは数学が得意でないと無理、若くないと無理といった思い込みです。求められるのは仕組みを順序立てて考える力と、調べて学び続ける姿勢で、必要な知識は担当する分野によって大きく変わります。
新人のうちは、自分の担当のまわりだけでも全体の流れを追ってみることをおすすめします。自分が直した画面のデータがどこに保存され、誰がどんな業務で使うのかまで分かると、質問の精度が一気に上がります。転職を考えている人は、求人の「エンジニア募集」という言葉だけで判断せず、どの分野を担当するのか、使う技術と任される工程はどこまでかを面接で確かめてください。
エンジニアと一緒に働く非エンジニアの人にも、知っておくと役立つことがあります。何かを依頼するときは「使いやすくして」ではなく、誰が何に困っているのかを具体的に伝えるほうが早く形になります。また、この言葉は範囲がとても広いため、「エンジニアに聞いて」と言われても分野の違う人に聞くと答えが出ません。誰が何の担当かを把握しておくと、やりとりがぐっと楽になります。
現場での使われ方
「その件、うちのエンジニアに確認しますね」
営業やサポートの人が「技術のわかる担当者に聞いてから答えます」という場面の定番フレーズです。即答を避けつつ、持ち帰って確認する意思を伝えています。
「エンジニア採用、今年も苦戦してるらしい」
多くの業界でIT技術者の確保が課題になっており、採用の文脈でもよく登場する言葉です。未経験者向けの研修を用意する会社が増えている背景にもなっています。
「画面側の話なので、フロントエンドのエンジニアに見てもらいましょう」
エンジニアは分野で呼び分けるという実例です。担当が違う人に頼んでも解決しないため、どこの不具合かを先に切り分けてから相談します。切り分けが難しいときは、症状をそのまま伝えれば大丈夫です。
「今回の案件は、エンジニア3名体制で進めます」
人数だけを伝える言い方ですが、実際は画面側・裏側・土台の担当がそれぞれ何名かで進み方が変わります。体制の話が出たら分野の内訳まで確認すると安心です。
よくある質問
エンジニアとプログラマーの違いは何ですか?
厳密な定義はなく、会社や人によって使い分けが違います。傾向としては、プログラムを書く作業に注目するとプログラマー、設計や運用も含めた技術者全体を指すとエンジニア、という広さの違いで使われます。上下関係ではないので、肩書きより実際の担当範囲で見るのが確実です。
文系でもエンジニアになれますか?
なれます。必要なのは学部よりも、仕組みを順序立てて考える力と学び続ける姿勢です。実際に文系出身で活躍しているエンジニアは珍しくなく、未経験者向けの研修を用意している会社もあります。人に説明する力が求められる場面も多く、そこは文系の経験が活きる部分です。
エンジニアにはどんな種類がありますか?
代表的なのは、画面側を作るフロントエンド、裏側の処理を作るバックエンド、動く土台を支えるインフラの3つです。ほかにスマートフォンのアプリ、機械学習、セキュリティ、品質保証などがあります。会社によって呼び方や担当の切り分けが違うため、求人では仕事内容の記述を読むのが確実です。
エンジニアとSEはどう違うのですか?
エンジニアは技術者全体を指す総称で、SEはその中で設計やお客さま対応を担う人を指すことが多い、主に日本で使われる呼び名です。つまり広い言葉と、その一部を指す言葉という関係です。ただしSEの意味は会社によってかなり違うので、名前だけで仕事内容を決めつけないほうがよいでしょう。
エンジニアは英語ができないと務まりませんか?
できなくても仕事はできますが、読めると明らかに楽になります。技術の公式資料やエラーの解説は英語が多く、日本語の情報が古いこともあるためです。会話力まで求められるのは海外チームと働く場合で、まずは翻訳の助けを借りながら英語の資料を読むことに慣れれば十分です。