結論: 自分で書かず、5つのルールでClaudeに任せる
- 基本的に、コードはすべてClaudeに書かせる(自分で書かない・自分で直さない)
- 最初にGitHubリポジトリを作り、実装ごとにコミットする(履歴として見やすく、いつでも戻れる)
- 守らせたいルールがあれば、CLAUDE.mdを作らせる(書き方の約束事を最初に決める)
- 基本はOpus、バグ調査など難しい問題はFable(モデルを使い分ける)
- 実行環境はDockerにする(自分のパソコンを汚さない)
たとえるなら、あなたは家を建ててもらう施主で、Claudeは腕のいい大工さんです。施主は自分で釘を打ちません。「どんな家にしたいか」を伝え、できあがりを確認して、直してほしいところを頼むのが仕事です。AIを使ったプログラミングも同じで、あなたの役割は「書くこと」ではなく「伝えること・確かめること」に変わります。
この記事で「Claude」と呼んでいるのは、ターミナルやエディタの中で動く開発向けのClaude(Claude Code)のことです。チャット画面で会話するClaudeと違い、ファイルを読み書きし、コマンドを実行し、GitHubにコミットするところまで自分でやってくれます。プログラミングに使うなら、こちらを選んでください。
準備編 — リポジトリ・CLAUDE.md・Dockerを最初に用意する
家を建てる前に、地鎮祭ならぬ「作業場の準備」をします。この3つは最初に1回やっておくだけで、あとの作業がずっと楽になります。どれもClaudeに頼めば作ってくれます。
① 最初にGitHubリポジトリを作り、実装ごとにコミットする
GitHubのリポジトリは、工事の記録帳です。「ログイン機能を追加」「デザインを調整」のように、機能を1つ実装するごとにコミット(記録)していくと、あとから見返したときに何をどの順番で作ったのかが履歴として一目でわかります。
もうひとつの利点は「戻れる」ことです。Claudeに新しい機能を頼んだら前の機能が壊れた——そんなときも、直前のコミットに戻せば元どおり。記録があるからこそ、安心して大胆な変更を頼めます。
頼み方の例: 「TODOアプリを作りたい。まずGitHubにリポジトリを作って、これから実装するごとにコミットしていって」
最初にこう伝えておくと、Claudeは以後の作業でも区切りごとにコミットしてくれます。
② 守らせたいルールがあれば、CLAUDE.mdを作らせる
CLAUDE.mdは、Claudeが作業のたびに読む「このプロジェクトの約束事」を書いたファイルです。大工さんに渡す施工ルールのようなもので、「コメントは日本語で書く」「変更したら必ずテストを書く」「コミットメッセージはこの形式で」といったコードの書き方で守らせたいルールをここに置きます。
ポイントは、これもClaude自身に作らせることです。自分で書式を調べる必要はなく、「このプロジェクトのCLAUDE.mdを作って。ルールは〜」と頼むだけで、適切な形に整えてくれます。
頼み方の例: 「このプロジェクトのCLAUDE.mdを作って。コードのコメントは日本語、機能を追加したら必ずテストも書く、コミットメッセージは日本語で」
ルールは後から足せます。「毎回同じ注意をしているな」と気づいたら、それがCLAUDE.mdに書くべきルールです。
③ 実行環境はDockerにする
作ったプログラムを動かすには、言語やライブラリなどの「道具」をパソコンに入れる必要があります。これを自分のパソコンに直接入れていくと、プロジェクトが増えるにつれて道具同士が干渉し、「前は動いていたものが動かない」という状態になりがちです。
Dockerは、パソコンの中に仮設の作業場を作る仕組みです。道具はすべて作業場の中に入れるので、自分のパソコン(母屋)は汚れません。失敗したら作業場ごと壊して作り直せばよく、別のパソコンでも同じ作業場を再現できます。
頼み方の例: 「このアプリをDockerで動かせるようにして。起動と停止の手順も教えて」
Dockerの設定ファイルもClaudeが書いてくれます。自分で覚えるのは「起動」と「停止」のコマンドだけで十分です。
進め方編 — 全部書かせて、実装ごとに記録する
④ 基本的に、コードはすべてClaudeに書かせる
準備ができたら、あとは作りたいものを言葉で伝えるだけです。「ログイン画面を作って」「一覧を日付順に並べ替えて」のように、機能を1つずつ頼んで、動いたらコミット。これを繰り返すと、少しずつアプリが育っていきます。
初心者がやりがちな失敗は、途中で自分の手でコードを直してしまうことです。施主が勝手に壁を削ると、大工さんは何が起きたかわからなくなります。直したいところがあれば、それもClaudeに頼んでください。「ここの色を青にして」「エラーが出た、直して」——全部、伝えるだけで大丈夫です。
伝え方のコツは、「何がしたいか」と「今どうなっているか」をセットで言うことです。仕様という言葉を知らなくても、「こういう人が、こういうときに、こう使う」を話せれば、Claudeが仕様に翻訳してくれます。
⑤ 基本はOpus、バグ調査など難しい問題はFable
Claudeには性能の異なるモデルがいくつかあり、Claude Codeでは切り替えて使えます。普段の実装はOpusで十分です。速く、費用も抑えられます。
一方で、原因がわからないバグの調査、何度直しても直らないエラー、設計をどうするか迷う場面では、より高性能なFableに切り替えるのがおすすめです。たとえるなら、普段は現場の大工さんに任せ、難しい問題が起きたときだけベテランの棟梁を呼ぶイメージです。デバッグで行き詰まったら「Fableに切り替えて調査して」と頼んでみてください。
頼み方の例: 「ログインボタンを押しても画面が変わらない。原因を調査して直して」
Opusで解決しなければFableへ。原因の説明つきで直してくれるので、あとで同じ問題を避けやすくなります。
応用編 — 慣れてきたら使いたいClaudeの機能
5つのルールだけで、小さなアプリなら十分に作れます。ただ、Claude Codeには複数のClaudeを同時に働かせる機能があり、慣れてくるとこれが効いてきます。家づくりでいえば、大工さん1人から「職人チーム」へ広げるイメージです。
ultrareview — 複数のAIによる徹底コードレビュー
ultrareview(ウルトラレビュー)は、書いたコードを複数のAIが手分けして点検する機能です。バグ、セキュリティ、無駄な書き方など、観点ごとに別々のAIがチェックし、見つけた問題をさらに別のAIが「本当に問題か」検証します。家の完成検査を、第三者の検査会社に頼むようなものです。
Claude Codeでは /code-review ultra のように呼び出します。公開前や大きな変更のあとに一度かけておくと、自分では気づけない問題を拾ってくれます。
サブエージェント — 大きな作業を分けて並行に進める
サブエージェントは、Claudeが自分の分身を呼んで作業を分担する仕組みです。「ファイルを調べる係」「テストを書く係」のように役割を分けて同時に進めるので、大きな作業が速く終わります。1人の大工さんが、必要に応じて応援の職人を呼ぶイメージです。
使う側が特別なことをする必要はなく、「並行して進めて」「調べる作業は別の担当に任せて」と伝えれば、Claudeが判断して分身を使います。
エージェントチーム(ワークフロー)— 役割分担した複数のClaudeが協働する
さらに進んだ使い方が、複数のClaudeにあらかじめ役割を与えてチームとして働かせる方法です。「調査する人 → 設計する人 → 実装する人 → 検証する人」のように手順を組み、それぞれを別のAIが担当します。現場監督のもとで職人チームが動く、という形です。
大規模な変更や、たくさんのファイルを同じように書き換える作業で力を発揮します。ただし動かすAIの数が増える分、費用もかかります。まずは基本の5ルールで作れるようになってから、必要になったときに試すのがおすすめです。
Claudeでの開発に慣れてきたら、そのコードを人に見せられるようにする「公開」の手順も気になってくるはずです。アプリの公開手順の記事で、Web・PC・スマホそれぞれの違いを案内しています。プログラミングそのものの学び方は、学び方のページも参考にしてください。
よくある質問
プログラミング未経験でも、Claudeで本当にアプリが作れますか?
小さなWebアプリや自分用の便利ツールなら現実的です。コードを書くのはClaudeに任せられますが、「何を作りたいか」「どう動いてほしいか」を言葉にするのはあなたの仕事です。最初は機能を1つに絞った小さなものから始めると、成功体験を積みやすくなります。
Claudeが書いたコードが動かないときはどうすればいいですか?
自分で直そうとせず、出てきたエラー文をそのままClaudeに貼って「直して」と頼みます。それでも解決しないときは、より高性能なモデル(Fable)に切り替えて原因調査を任せるのがおすすめです。直前のコミットに戻せるように、GitHubに記録しておくことも大切です。
Claudeを使うのにお金はかかりますか?
プログラミングに使う場合は、有料プランかAPIの利用が基本になります。料金体系は変わることがあるため、公式サイトで最新の情報を確認してください。高性能なモデルほど費用がかかる傾向があるので、普段はOpus、難しい問題だけFableという使い分けが無駄を減らします。
Dockerは初心者には難しくないですか?
設定ファイルもClaudeに書かせれば大丈夫です。「Dockerで動く開発環境を用意して」と頼めば、必要なファイルと起動手順まで作ってくれます。自分のパソコンに直接いろいろ入れずに済むので、失敗してもやり直しがきくのが利点です。