結論: AWSは「ITの設備がそろう巨大レンタルショップ」

POINTAWS=サーバーなどのIT設備を、インターネット越しに借りられるAmazonのサービス。

AWS(Amazon Web Services)は、Amazonが提供するクラウドサービスです。クラウドとは、サーバーなどのIT設備を自分で買わずに、インターネット越しに借りて使う仕組みのこと。AWSはその世界最大級の「貸し手」です。

AWS=ITの設備がそろう巨大レンタルショップ EC2 サーバーを借りる (計算する係) S3 データの倉庫 (しまっておく係) RDS データベース (整理して探す係) …ほかにも数百種類の「棚」が並んでいる
必要な設備を、必要なときに、必要な分だけ借りられる。棚(サービス)の数は数百種類。

たとえるなら、AWSはITの設備なら何でもそろう巨大なレンタルショップです。サーバーを1台だけ借りることも、データの保管庫だけ借りることもできて、店に行く必要すらありません。すべてインターネット越しに、画面の操作だけで借りたり返したりできます。

実物の機械は、AWSが世界中に持つデータセンターという建物の中にあります。「クラウド=雲」という言葉のイメージとは違って、実体はちゃんと地上にあるのです。

なぜ世界中の会社がAWSを使うのか

昔の会社は、システムを動かすためにサーバーを自分で買って、自社に設置して、自分で守っていました。この方式には大きな悩みがあります。

  • 高い。本格的なサーバーは高価で、買う前に「何台必要か」を当てなければならない
  • 遅い。注文から設置まで時間がかかり、「明日増やしたい」ができない
  • 大変。故障対応、電源、冷却、セキュリティ——面倒をぜんぶ自分で見る

AWSはこれを「借りる」方式に変えました。テレビで紹介されてアクセスが急増した日だけサーバーを増やし、落ち着いたら減らす。こんな柔軟な使い方が数分の操作でできます。機械の故障対応はAWS側の仕事なので、開発チームはサービスづくりに集中できます。

いま新しく作られるWebサービスやアプリの多くはクラウドの上で動いていて、AWSを扱う技術はインフラエンジニアの中心的なスキルになっています。求人票に「AWS経験者歓迎」が並ぶのはこのためです。

AWSでできること — 代表的な3つのサービス

AWSには数百種類のサービスがありますが、最初に名前を覚えるなら次の3つで十分です。家づくりにたとえながら紹介します。

EC2 — サーバーを借りる

いちばん基本のサービスで、サーバーそのものを1台から借りられます。家づくりでいえば「土地と作業場を借りる」ようなもの。借りたサーバーの上に、自分たちのプログラムを置いて動かします。性能も台数も、あとから画面操作で変えられます。

S3 — データの倉庫を借りる

画像や動画、書類などのファイルを預けておく倉庫です。容量を事前に決める必要がなく、預けた分だけ料金を払います。「大きさが自由に変わる貸し倉庫」だと思ってください。多くのWebサイトの画像は、実はこうした倉庫から届けられています。

RDS — データベースを借りる

会員情報や注文履歴を整理して保管するデータベースを、面倒な設定込みで借りられるサービスです。データベースは「几帳面な図書館」のような存在ですが、その司書さんの雇用や図書館の建物管理までセットで任せられる、というイメージです。

料金の仕組み — 「使った分だけ」の従量課金

AWSの料金は、携帯の定額プランより電気代や水道代に似ています。使った時間・使った量に応じて後から請求される「従量課金」が基本です。

この仕組みは「小さく始めて、育ったら増やす」ができるのが長所です。

消し忘れたサーバーにも料金がかかり続けます。現場で「AWSのコスト削減」が話題になるのは、水道の蛇口の閉め忘れ点検のようなものです。

個人の学習向けには、条件つきで無料で試せる枠も用意されています。ただし枠を超えれば課金されるので、触ってみるときは先に料金の通知設定をしておくのが安全です。

「AWSを学ぶ」とは何を学ぶことか

POINT「AWSが使える人」=数百の棚から適切なサービスを選び、組み合わせて、安全に運用できる人。

レンタルショップの店内に詳しく、予算に合わせた借り方を提案できる人、と言い換えられます。

初心者が学び始めるなら、順番はこうです。

  1. クラウドの考え方を知る — まずクラウドとはを理解する(この記事まで読めていれば大丈夫です)
  2. 入門資格の教材で全体像をつかむ — AWS公式の認定資格「クラウドプラクティショナー」の教材は、初心者向けの地図として優秀です
  3. 小さく触ってみる — S3にファイルを置く、など小さな操作から。料金の通知設定を忘れずに

教材の選び方は学び方ガイドにまとめています。またAWSの要点だけをさっと知りたい方は、用語集のAWSのページもどうぞ。

よくある質問

AWSは無料で使えますか?

一部のサービスには、条件つきで無料で試せる枠が用意されています。ただし範囲を超えると使った分だけ課金される仕組みなので、学習で使う場合も、料金の通知設定をしてから触り始めるのが安全です。

ネットショッピングのAmazonとAWSは同じ会社ですか?

同じAmazonのグループです。巨大な通販サイトを支えるために自社で鍛え上げたサーバー設備や技術を、外部の企業にも貸し出すようにしたのがAWSの成り立ちだと言われています。

AWSを学ぶには資格を取るべきですか?

必須ではありません。ただAWSには公式の認定資格があり、入門向けの「クラウドプラクティショナー」は全体像を体系的に学ぶ道しるべになります。未経験者にとっては学習意欲の証明にもなります。

AWS以外にも同じようなサービスはありますか?

あります。GoogleのGoogle Cloud、MicrosoftのAzureが代表的です。呼び名は違っても「設備を借りて使う」という考え方は共通なので、どれか1つを学べば他にも応用が利きます。